これまで多くの作品を預け入れしているおおよそ国内の3本の指に入る大手の総合フォトエージェンシー、imagenavi(イメージナビ)のサイトに昨日たまたま行ってみたところ、パラパラと変わる上部画像の一つに私の最新作『暮らしの情景 V・潮騒』収録画像が使われていました。(上部参照)
こちらの会社は結構頻繁に私をバックアップして頂いておりその都度大変感謝している訳ですが、正直思いの外結果が出ていないというのが悔やまれます。中でもCG素材については他社さんに比べてもダントツで前ページに多くの画像を表示してくれていますのでそれなりの人が見ればさぞかし売れているのだろうと推測しがちですが、無論イメージナビさんだって「これは売れるだろう」と必然として戦略的なプッシュな訳でその割に反応は極めて薄いというのが現状です。
地球ものや光のバックグラウンド、文字も比較的入れ易くレイアウトフリーデザイン設計の如何にも売れそうと思わせる画像が目に入る訳ですが、結果は散々で売上報告が毎月届く度げんなりの連続なのです。6年前に起こった311の震災以前と比較すると月単位で10〜15分の1まで減少したという惨敗ぶりで、担当者さんに時々愚痴もこぼす始末です。大方私だけではないでしょうが、まさに時代の変化とは恐ろしく、知らぬ間に時が経ち対処も打てぬままズルズルと暗い谷底に引き込まれているといった具合です。
ここで書いている文章もまた愚痴になる訳で、ストックフォトにそれほど関わらない方々も含めわざわざブログで不特定多数の方に広くご報告する事もないので本日当サイト内の『気まぐれコラム』としました。実はこのコラム、去年3月の記述が最後でほんと久々で自身もビックリしています。ここしばらくは大抵の情報がTopics(トピックス)で事足りていたので何となく新鮮にも感じている次第です。
勿論イメージナビさんが悪い訳もなく結局売れる素材を生み出せない私の責任は大いにあると思いますし、多かれ少なかれ他社さんでも同じ事が言えます。このままだといずれ(そう遠くない将来)は全くの一文無しになってもおかしくないですし、また価格破壊という現状から鑑みても業界の市場巻き返しは相当難しいでしょう。
個人ベンチャーが画期的なサービスを始めて、初めはお手並み拝見とばかり懐疑的にいつ潰れるかを失笑しつつ眺めていた大手企業が、のちに時代の変化からそんなベンチャー製品が日の目をみるや否や、慌てて参入。そして安く叩いてその特許を取得するなり一気に攻勢をかけて市場を牛耳るなんてよくある話ですが、もはやストックフォト業界もある程度の規模で押さないと保たないハイレベルになってしまった印象を持ちます。
人気があるとはいうもののモデル撮影を主体とする素材では何しろお金がかかります。スタジオにロケ、機材や人員の維持確保もそれなりの規模で必要になってくるので個人ではよっぽどの資金力と人脈がない限り続かないと思います。そこに来て相手は完全なプロ集団であり学歴も本物、経験豊富、ルートもしっかり抱えズバ抜けた感性も持ち合わせる、まさに世界でも戦える真のクリエイティブ組織な訳で勝ち目はありません。ましてやそこでのエキスパート業務に私のような独学で素人同然の非正規や派遣人材などまず皆無でしょう。
ただそれでも個人作家としてこの業界で今後も生き残っていく最善の術(すべ)をその都度取り掛かる作品制作を通して常に意識し足元の確認然り、しっかりと前を見据えて精進あるのみと心に誓うのでした。
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